睡眠はもっとも重要な休養です。
とうのも、睡眠中には、私たちの美容と健康にとって、とーっても大切な体内の細胞の修復と再生が行われるから。
それに、ぐっすりと眠った朝は、心地良く目覚めることができて、朝から気分もいいと感じますしね。
だけど、現代人は、昼夜の乱れた生活でライフスタイルが自然のリズムに反してしまっていることが多いため、体内時計がくるってしまって、ぐっすりできなくなっていると嘆く人も多い。
それに、悩みやストレスフルな生活のせいで緊張状態が続いて、夜になっても神経の興奮が収まらなくて、なかなか寝付けなくなってる人も多いのでは。
そこで今回は、眠りに役立つハーブティを紹介します。
「ハーブ」とは
ハーブとは、香草など人間にとって私たちの生活に役立つ植物の総称。
「herb(ハーブ)」という英語は、ラテン語で草という意味を持つ「harba(ハーバ)」に由来するとされています。
材料となるのは、さまざまな植物の葉や茎・実など。
ハーブは古くから世界各地で飲用、食用、美容等、のみならず生活のあらゆる場面で使用されてきました。
古くから人々の暮らしを支えてきたハーブですが、、近年になってハーブのもつ抗酸化作用や生体防御機能の調節作用が科学的にも明らかになるにしたがって注目を集めています。
なぜ、ハーブ(植物)の力が有効か?
それは、植物には人を癒す力があるからです。
例えば、抗菌、発汗、鎮痛など、人間の体に与えるさまざまな作用をもっています。
この力は、太陽がさんさんと照り注ぎ、雨がザーザーと降る自然環境の中で、植物が生き抜くために自ら身につけてきた力をです。
例えば、活性酸素の害を防ぐ成分としてよく知られる「ポリフェノール」や「ビタミン」なども、植物が太陽光から自らを守るために作り出すものです。
安眠ハーブ
そして、ハーブティは、お湯を淹れたり、煮だしたりすることで、お湯に溶け出す植物に含まれる水溶性成分を飲用していきます。
中には古くから、ヨーロッパなどで睡眠に用いられてきたハーブもあります。
ハーブティが安眠によい作用をもたらす理由として、代表的なものを挙げると…
ノンカフェイン(マテなど一部例外はある)
香りでリラックスを感じる
胃腸の調子を整える
入眠のリズムをつくる
自律神経を整えるなど。
ご存じの通り、カフェインが多く含まれる飲み物(コーヒーや栄養ドリンク)には覚醒作用があります。
だから個人差はありますが、寝る前に飲むのは避けたほうがいいです。
その点、ハーブティはノンカフェインのものが多いので、寝る前でもオススメなのです。
ただし、ハーブティは薬じゃないので、即効性があるものではく、じわじわ効いていくものだから、飲み続けられることがカギ。
飲むことを習慣づけして、ある程度長く続けていくことが必要になります。
それでは、安眠効果があるとして人気のハーブをご紹介しますね。
安眠ハーブティ
バレリアン
精油、バレポトリエイト、アルカロイド、イリドイド類、コリン、タンニンなど酢酸ボルニル(鎮静、鎮痙作用)
バレリアンは、和名セイヨウカノコソウといい、ラテン語の「valere(健康である)」が由来のハーブ。
根の部分をハーブとして利用するのですが、強烈な発酵臭と、深い森の樹木のような風味が特徴です。
バレリアンの根の強烈なにおいは、イソ吉草酸。
人間には若干悪臭に感じられますが、猫にとっては大好きな匂い。
この根の強い香りが猫が好きなことからキャッツラブとも呼ばれております。
バレリアンティーは臭みが強いので他のハーブティーとブレンドされることをオススメします。
バレリアンは鎮静作用と精神安定作用に優れ、世界中で不眠症に役立てられています。
中枢神経を抑制し、筋肉の緊張を解きます。そして安眠に導きます。
その他、ストレス性の偏頭痛や更年期障害、PMS の不安に役立ちます。
筋肉の緊張をほぐすため、肩こり、緊張性の腹痛や胃痛にも有効です。
就寝前だけでなく、不安や緊張を和らげる目的で日中に使用することも可能です。
パッションフラワー
フラボノイド(アピゲニン)、フラボノイド配糖体(ビテキシン)、
インドールアルカロイド(ハルマン、ハルモール)、青酸配糖体(ジノカルディン)などハルマン、ハルモール(鎮静作用)フラボノイドの鎮静、鎮痙
パッションフラワーの歴史はアメリカ先住民。元々アメリカの先住民は、パッションフラワーを鎮静剤として使用しました。
16世紀にスペイン人探検家らが南アメリカを訪れた際に、パッションフラワーの存在を知られ、ヨーロッパに持ち帰られ、広く栽培されるようになり、ヨーロッパの民間療法に取り入れられました。
気持ちが沈みがちな時やリラックスタイム、眠れない夜などに人気のハーブです。
ドキドキ落ち着かない時にはパッションフラワーのティーでリラックスしましょう
作用が穏やかなため、子供からお年寄りまで安心して使えます。単独よりも他の鎮静系のハーブとのブレンドが効果的。
そのことから「植物性の精神安定剤」とも呼ばれます。
ストレスに伴う胃腸のトラブル、頭痛などに効きます。
精神的な緊張による不眠や高血圧、喘息なども改善します。
筋肉の緊張を緩めるので、筋肉痛や月経痛にもいいです。
その他、更年期や PMS といった女性の不調にも有効と言われています。
メリッサ
精油、シソ科タンニン、フェノール酸(カフェ酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸)など
メリッサは、ギリシャ語でミツバチを指すmelittenaが由来
メリッサにはミツバチを引き寄せる香りがあることから、ギリシャ語でミツバチを意味する「メリッサ」という名前で親しまれています。別名レモンバーム。
ミツバチは、ヨーロッパで繁栄や長寿をイメージする幸運のシンボルとして古くから好まれてきたモチーフです。
神経系に作用し穏やかにしてくれるハーブです。
ヒステリー、パニック、神経の緊張による不眠や不安に向いています。
さらに、神経からくる消化器系の不調、例えば神経性胃炎、食欲不振、胃腸の機能障害などにも用いられます。
痛みを和らげ、心を穏やかにする働きでつらい頭痛を鎮め、レモンのような香りでリラックス効果も。
神経の興奮を鎮め、胸がどきどきする症状も抑制します。
女性ホルモンの一つ、プロゲステロンに似た作用があり、PMS,更年期の症状などの婦人科系のトラブルのある際に、ヨーロッパではよく用いられています。
ジャーマンカモミール
精油、セスキテルペンラクトン類(マトリシン)、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)コリン、クマリン類など
アピゲニン(鎮静・鎮痙)
ピーターラビットの童話にも登場し、世界でもっとも親しまれているハーブの1つ。
マーガレットを小ぶりにしたような、デイジーのような白い花を咲かせる可憐なハーブで、ドイツでは「母の薬草」、中国では「母菊」、フランスでは「貴婦人の花」と呼ばれ、様々な国で親しまれてきました。
心身をリラックスさせるハーブの代表で、心を落ち着かせる効果にすぐれ、緊張感、不安感、怒りや恐怖感を緩和してくれます。
作用が穏やかなので子供からお年寄りまで幅広く楽しめます。
寝る前に飲むことで心地よい眠りをもたらしてくれます。胃腸の調子を整えるので、胃炎や大腸炎にも使えます。
疲労回復やストレス回復にもいいハーブです。
また、体を温め発汗させる作用があるので、風邪の初期症状を緩和する薬茶として利用されています。
更に体が温まり血行が良くなることで月経痛の緩和も期待できます。
また鎮痛作用があるので、頭痛や神経痛などを和らげる効果が期待できます。
ニキビや皮膚炎、口内炎などの炎症を抑える抗炎症作用もあるため、肌の調子を落ち着かせてくれる作用もあります。
リンデン
フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)、粘液質(アラビノガラクタンなど)、タンニン、フェノール酸(カフェ酸、クロロゲン酸)、フェルネソール(精油成分)など
ヨーロッパでは『1000の用途があるハーブ』とも言われ、広く親しまれているハーブです。
リラックスタイムやちょっと一息つきたい時、お休み前におすすめです。
またドキドキ不安な時のお供にもおすすめのハーブで、優しいアロマティックな香りと味わいに癒されます。
甘い香りを漂わせ、心身の緊張を和らげ、就寝前の一杯は質の高い睡眠をもたらします。
クワンソウ
オキシピナタニン、アミノ酸
クワンソウは沖縄などに自生している中国原産で、ユリ科ワスレグサ属の多年草です。
ユリに似た花を咲かせる植物で、伝統野菜として沖縄や石垣島、宮古島などで取り入れられています。
近年になって睡眠関係のサプリメントに取り入れられることが増えた植物なのですが、昔から沖縄では子供の夜泣きや、寝付けない時に「クワンソウを食べるとよく眠れる」と知られていました。
ここから、眠り草という意味を持つ方言の「ニーブイグサ」と呼ばれることもあります。
以上。安眠に効果的なハーブを紹介しました。
私たち人間にとって眠りとは、単に体や脳を休めるためだけのものではありません。
美容や健康、さらには、仕事や日常生活でのパフォーマンス、心の状態などあらゆることに大きな影響を与えています。
だから、日々ぐっすりと眠れるかどうかは、人生の幸福度を左右するといっても過言ではないくらい。
ぜひ、お気に入りのハーブを見つけて、眠りから人生を豊かにしてみてくださいね。